海へ来て

 

海へ来て
森昌子
 
ああ カモメ
あんなに白く 輝いている
わたしカモメに なれるでしょうか 
青空にのびやかな 詩を書いて
翼まかせに生きてみたい
気持ちがしずんで痛む日は
カモメになりたいわたし
 
貝がらは
耳のかたちのすなおなカーブ
わたしすなおになれるでしょうか
こんにちはありがとうごめんなさい
そんなことばで生きてみたい
さらさらこぼれる砂のように
すなおになりたいわたし
 
また光る
灯台守りのやさしい灯り
わたし灯りになれるでしょうか
控えめにけれど強くまたたいて
闇に負けずに生きてみたい
小船の心がわかるから
灯りになりたいわたし